シニアの皆さんはお金について真剣に語り合ったことがありますか?
お金は汚いものだという考え方もありますが、資本主義の現在の日本の中では、
お金は命を守る大切なものだと感じずにはいられません。
お金に困っている人もいるでしょう。
お金に困らないけれどなかなか貯まらない人もいるでしょう。
お金があって困った人もいるでしょう。
しかしお金は大切なものにはかわりありません。
それでは、そのことをどうやって子供たちに伝えることができるでしょう。
一番は「経験させること」ですが、困った生活をしてほしくはありません。
それでは、自分の経験を話して聞かせるのもいいでしょう。
でも、そんなに困った経験がない人もいます
そんなときに手に取ってほしい一冊をご紹介します。
西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」のハナシ
西原理恵子の「この世でいちばん大事な「カネ」のハナシ」を読みました。
西原理恵子といえば「毎日かあさん」などの自らの経験を元にしたきついギャクと半面人間くさい温かみのある優しい視点で有名な漫画家の女性です。
買って本を開いて気がついたのですが、漢字全てにルビが入っていました。小学生用の本なのです。
本の中には暴力をふるう父親のことや、お金に困り自殺した義理の父親のことも書いてあります。
そんな内容でも隠しようのない真実であれば、相手が小学生であろうと包み隠さずに全てを伝るという西原理恵子の表現者としての気概を感じます。
ここには、いつもの西原理恵子のイラストはないのですが、独特の毒舌が文字で繰り広げられています。
お金が無いために、バラバラになった家族。
お金が無いために、学んだこと。
お金があったから、手に入れられたもの
お金があったために、失ってしまったもの。
お金があったから、守れたもの。
お金のありがたさや、怖さ、汚さ、様々な話が語られるが、ここで語られるのは、株式とかそういった、難しい話ではないのです。
お金=働く=生きる
という、西原さんの、お金を絡めた哲学を書いた一冊なのです。
お金は何故大切なのか。
大切なお金を手に入れるためにはどのように働くべきか。
お金で守れる、命、家族、生活。
すべて、書ききっています。
「どうしてお金は必要なの?」
という質問に、真正面から答えている本。
就職難や低賃金、商品価格の高騰など現代の日本には様々な問題があり、いつ人並みの生活からはずれてもおかしくありません。
この時代に読んでおきたい一冊だと思いました。
そして真正面からお金の大切さを語ることをしてこなかった親から子供へ贈ってもいいでしょう。
お金のあることの幸せさも大切なのですが、特にお金がないことの悲惨さも子供は学習しておかなければならないと思うのです。
しかし読み終えて感じたことですが、、文字だけだと西原さんの経験してきた苦労はドスンと重くのしかかります。
あの、イラストがどれだけ、人を笑わせて安心させてくれるスパイスになっていたのか、今回改めて気がつきました。
書店にいって目に入ったら手に取って欲しい一冊です。