ハッピーシニアライフ的ジャズへの誘い

シニアになってからジャズを聴き始めるという人は少なくありません。しかし、ジャズは「難しい」「敷居が高い」というイメージがありなかなか簡単に聞き始められない方も少なくありません。そこで今日はハッピーシニアライフからジャズを聴いてみようという方へ向けて、ジャズの聴き方のひとつをご紹介したいと思います。 

ジャズって難しい?

先にも書きましたが、ジャズという音楽は、あまりなじみのない人にとっては「難しい」「敷居が高い」というイメージがある音楽ジャンルだと思います。
 そのイメージだけでも大変なことなのに、初心者がまず困ってしまうのは「沢山アルバムが出すぎていて何をどこから聴いたら良いのかよくわからない」というこ入門の足がかりになるところが難しく感じることです。
 そして仮に聴いたことがあったとしても「そこで誰が何をやっているのか、何をどう聴いたらいいのか分からない」という人は多いのではないでしょうか。

一言で「ジャズ」といっても、そのスタイルやカテゴリーは多種多様で、
うっかり聴けば「それからの生き方を変えてしまう」という恐ろしい名演奏や「迷」演奏があるとも言われているのです。

と、ちょっと驚かせてしまったでしょうか。

そこで、ハッピーシニアライフでは初めての方でも比較的安心して聴けて、
しかもジャズが好きになりジャズの沼にはまってしまうような、
ジャズ好きから初心者も手に入れやすい名盤を動画とともにご紹介していきましょう。

名曲を軽い気持ちで聞いてみよう

Cool Struttin’・ ソニー・クラーク

このアルバムのリーダーは、ピアノの「ソニー・クラーク」です。
各楽器のプレイヤーは下の通りです。
Alto saxophone (Jackie McLean) : アルト・サックス (ジャッキー・マクリーン)
Trumpet (Art Farmer) : トランペット (アート・ファーマー)
Piano (Sonny Clark) : ピアノ (ソニー・クラーク)
Bass (Paul Chambers) : ウッド・ベース (ポール・チェンバース)
Drums (‘Philly’ Joe Jones) : ドラムス (フィリー・ジョー・ジョーンズ)

このアルバムは楽曲の素晴らしさにも定評がありますが、
ジャケットが美しい…いわゆる「美ジャケ」としても有名なアルバムです。

曲はアルバムタイトルにもなっているCool Struttin’の動画を用意しましょう。
Sonny Clark – Cool Struttin’


次は

Somethin’ Else / Cannonball Adderley

このアルバムのリーダーは、サックスの「キャノンボール・アダレイ」です。
Alto saxophone (Cannonball Adderley) : アルト・サックス (キャノンボール・アダレイ)
Trumpet (Miles Davis) : トランペット (マイルス・デイヴィス)
Piano (Hank Jones) : ピアノ (ハンク・ジョーンズ)
Bass (Sam Jones) : ウッド・ベース (サム・ジョーンズ)
Drums (Art Blakey) : ドラムス (アート・ブレイキー)

曲は沢山のプレイヤーが好んで演奏していることでも有名な「枯葉」です。

Cannonball Adderley – Autumn Leaves

本当はアルバムを買ってアルバム単位で聴いてみてほしいのですが、今はWebの時代なので、
まずは動画で聴いてみることができます。便利な時代になりましたね。

そして聴き終わったらもう一度聞いてみてください。

いかがでしょうか?

「曲の始めと終わりの辺りはわかったけれど、中間あたりが良く分からない。 一体全体、何してるの?」

という感想が多いのではないかと思います。

勘の鋭い人は、「この良くわからない辺りが、なんとなく怪しいのでは?」と感づいたのではないでしょうか。

これこそまさにジャズの核心部分、肝となる部分なのです。

曲の「始めと終わり」が分り易い理由は、「あらかじめ作曲されたメロディーは、曲の始めと終わりしか演奏しない」ためです。 分かり易くて当然ですね。

そのためメロディーラインが覚えやすくなっているのです。

それでは、「よく分からない中間あたり」は何をしているか迫っていきましょう!

ジャズは「テーマ」と「ソロ」で出来ている

一般的なジャズの演奏形態について、簡単に説明しますね。

ジャズの演奏というものは、大抵が32小節で1区切りになっています、

この32小節分のメロディーがテーマと呼ばれる「あらかじめ作曲された部分」なのです。

この32小節をコーラスと呼び、「1コーラス・2コーラス」と数えます。

では実際の演奏は、どうなっているのか見てみましょう。

<一般的なジャズの演奏形式>
テーマ(1コーラス)
  ↓
 各プレイヤーのソロ演奏(数コーラス)
  ↓
テーマ(1コーラス)

といった内容になっているのです。

よく分からない中間あたりは「各プレイヤーのソロ演奏」となっていますが、
ここでは、一体何を演奏してるのでしょうか。

音楽の流れとしては32小節の繰り返ししかありませんので、
当然バックのピアノやベースは、テーマでやっていたことを繰り返していることになります。
(と書いてはいますが、厳密には違うことをやっています)

試しにテーマの部分を覚えて演奏中それに合わせて歌い続けてみて下さい。
コーラスが繰り返されている事が良く分かるはずです。
もちろん音数の少なく聴こえるドラムスのソロ中だって同じです。

          
ではソロ演奏者は一体何をしているのでしょう。

凡人の私には絶対できないことですが、演奏者は、
「その場で作曲し、かつそれを演奏している」のです。

いわゆる即興演奏・アドリブといわれるプレイです。
この即興は決して適当なでたらめを演奏している訳ではありません。
流れるバックの演奏に合わせた音を選びながら、
どうやってテーマより素晴らしい旋律を創りだすかということに、
緻密な計算をしながら集中しているのです。

ジャズ演奏の上手い・下手を分けるのは、
実はこのソロ演奏の上手い不味いにかかっているといっても
決して言い過ぎではありません

楽器ごとの音色を聴き分けてみよう

では、テーマの演奏部分とソロ演奏部分の旋律の動きの違いに注目して、
もう1回違う曲ではありますが、ジャズの演奏を聴いてみることにしましょう。

Art Pepper Quartet – You’d Be So Nice to Come Home To

Alto saxophone (Art Pepper) : アルト・サックス (アート・ペッパー)
Piano (Red Garland) : ピアノ (レッド・ガーランド)
Bass (Paul Chambers) : ウッド・ベース (ポール・チェンバース)
Ddrums (‘Philly’ Joe Jones) : ドラムス (フィリー・ジョー・ジョーンズ)

いかがでしたか?
「テーマとソロ・コーラス」の違いは聞き分けることができたでしょうか?

「でも 、いろんな楽器が鳴っててどれが誰の演奏やらさっぱり聞き分けられないよ~」
という方もいるのではないかと思います。

そこで今度は楽器の「音色」を覚えるために、ある一つの楽器だけに焦点を絞って聴いてみてください。

リズム楽器の、ピアノ・ベース・ドラムスあたりは皆さんにはお馴染みの音で、
それほど難しいことなく聞き分けることができるだろうと思うのですが、
ジャズでの役割を理解するために、一応別々に聴いてみて下さいね。

さて聴いていて難しいのはやはり管楽器ではないでしょうか。

もともと管楽器は私たち日本人には馴染みが薄いものですが、ジャズで登場する管楽器はさらに種類が多いのですね。
手元にアルバムがあればまずはルバムのライナー・ノーツ(解説書)等を読んで、どんな楽器が出てくるか確認してくといいですよ。
このライナー・ノーツといわれるものには、登場する楽器やソロを取る順番が書いてあったりと、とても重大な情報が隠されています。

では、一つ一つの楽器に集中しながら、次に動画の演奏に挑戦してみましょう。

Art Blakey & the Jazz Messengers – Moanin’

Drums ART BLAKEY(ドラムス アート・ブレイキー(リーダー))
Trumpet  LEE MORGAN(トランペット リー・モーガン)
Tenor Saxophone  BENNY GOLSON(,(テナーサックス ベニー・ゴルソン)
Piano BOBBY TIMMONS,(ピアノ ボビー・ティモンズ)
Bass JYMIE MERRITT (ベース ジミー・メリット)

どうでしょう?
楽器の違いが聴き分けられたでしょうか。

それでは、今回はこんな風に聴いてみましょう。
これまで、ある一つの楽器に絞って聞いてましたが、
複数の楽器に増やしてみましょう。

「サックスがタリラリ~と演奏している後ろでは、
ピアノやベースやドラムスは一体どんな動きをしているんだろう」
という聴き方をしてみるのです。
キープした演奏をしているかもしれないし、
次への動きを匂わせているかもしれません。

ジャズの面白さや特徴はその「即興性」にあります。
これは、ソロ・プレイヤーに限った話ではありません。
バック演奏を担当している人々も、それぞれが即興で音楽に関わっている、
というとても奥深いことになっているのがジャズの特質なのです。
そうすると、音楽的な山場とは、突拍子もない場面でもやってきます。
あなたが眠くて「昨日は夜更かししすぎたかな」などと欠伸をしている間にも
物凄いインター・プレイが繰り広げられているかも知れないのです。

「音楽は聴き終わった後空中に消えてしまう。
そして再び取り戻すことは誰にもできない。」

When you here music, after it’s over, it’s gone in the air.
You can never capture it again.
(by Eric Dolphy)


というエリック・ドルフィーの言葉がありますがまさにその通りです。
ジャズとは、(その即興性から)その場その瞬間に居合わせた、
演奏者とそして聴衆による一期一会の物語なのです。

「サックス・ソロを追い上げる激しいパーカッション」や
「サックスのフレーズに敏感に感じ取り、少しずつ変化していくピアノフレーズ」
という物語や駆け引きを感じられるようになれば、
ジャズを聴く楽しみは今までの数十倍になり、
あなたの耳を存分に楽しませてくれることでしょう。

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